映画『ミステリと言う勿れ』を観た感想 遺産相続の闇に整が巻き込まれる!ビビって泣いて怒って笑った

2023年9月15日に公開された映画『ミステリと言う勿れ』を観ました。

not-mystery-movie.jp

2022年1月10日~3月28日に、フジテレビ系列で放送された菅田将暉さん主演の連続ドラマの劇場版。

フジテレビ開局65周年記念作品として制作されました。

映画館に貼られていたポスター

 

映画『ミステリと言う勿れ』の基本情報

原作田村由美『ミステリと言う勿れ』小学館月刊フラワーズ』連載中

脚本相沢友子

監督松山博昭

音楽:Ken Arai

主題歌King Gnu『硝子窓』(ソニー・ミュージックレーベルズ)

製作大多亮、沢辺伸政、渡邊万由美、市川南

製作総括:臼井裕詞

プロデューサー:草ケ谷大輔、野﨑理、谷鹿夏希

Co.プロデューサー:大澤恵

VFXスーパーバイザー:野﨑宏二

監督補:品田俊介

助監督:東條正利

上映時間:129分

制作プロダクションオフィスクレッシェンド

製作フジテレビジョン小学館、TopCoat、東宝、FNS27社

制作年:2023年

配給東宝

 

おもな出演者

久能整菅田将暉

<全員いとこ同士の遺産相続対象者>>

狩集汐路原菜乃華

赤峰ゆら柴咲コウ

狩集(カリアツマリ)理紀之助…町田啓太

波々壁(ハハカベ)新音萩原利久

<<そのほかの登場人物>>

車坂朝晴松下洸平

赤峰一平野間口徹

狩集弥滝藤賢一

狩集ななえ鈴木保奈美

鯉沼(コイヌマ)毬子松坂慶子

車坂義家段田安則

真壁軍司角野卓造

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犬堂我路永山瑛太

<<広島県警>>

志波一已…でんでん

<<大隣署>>

風呂光(フロミツ)聖子伊藤沙莉

池本優人尾上松也

青砥成昭筒井道隆

 

ストーリーは?

広島県立美術館ゴッホの絵を観て、広電で平和公園まで移動。

平和公園の慰霊碑に手を合わせたところで、学生服を着た女の子(原菜乃華)から声をかけられた久能整(菅田将暉)。

女の子の名前は、狩集汐路<カリアツマリシオジ>。

知り合いの犬堂我路(永山瑛太)から整のことを教えてもらったという汐路は、祖父の遺言書の内容を一緒に聞いてほしいという。

「バイトしませんか?お金と命がかかってます。」

有無も言わさず強引に整を連れて行く汐路。

 

祖父と血がつながっている汐路の親の代は、8年前に全員交通事故死しており、それぞれの配偶者には相続はなし。

相続の権利があるのは、汐路と赤峰ゆら(柴咲コウ)、狩集理紀之助(町田啓太)、波々壁(ハハカベ)新音(萩原利久)のいとこの4人。

遺言書の内容は、顧問弁護士の車坂義家(段田安則)、顧問経理士の真壁軍司(角野卓造)から伝えられる。

狩集家には4つの蔵がありい、遺言書の内容は、

「あるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ。」

4人それぞれに1つ1つ蔵の鍵が渡され、遺言書の通りにできたもの1人だけに相続させる。とのことだった。

代々遺産相続のたびにきょうだいで殺し合ってきたという狩集家。

実際何者かに殺されかけた汐路は、整に、護衛と遺言書に書かれた謎解きを頼む。

 

全く何のつながりもないのに、突如、遺産相続争いに巻き込まれた整。

 

…というお話です。

 

広島編なのに……

広島編だと聞いて映画を見に行ったのですが、最初の美術館と平和公園に広電、宮島と、東広島駅

あまり広島感がないのがちょっと残念でした。

というのも、整がお好み焼きとか食べようと誘われても全部断るとという、めんどくさい一面を発揮してたから。

2時間サスペンスドラマのように、わざわざ観光地にヒントを見つけに行くというベタな展開ではなく、久能整のキャラを通している。

『ミステリと言う勿れ』らしさを貫いてて面白かったです。

広島編って聞いてたのになぁ。と思いつつも、このドラマらしいなと笑ってしまいました。

あと。

広島の言葉がよく出ていたのは、新音と県警の刑事さんぐらい。

ほかの人は、そんなにキツイ広島弁ではなかったです。

 

コント仕立てな場面もあり

映画だし、命かかってるし、緊迫した場面は多かったですけど、整がブツブツと言う場面はドラマと変わらず。

よくしゃべる整は健在。

途中、走る車に狙われて整が水の中に落ちるシーンがあるんですけど、それも2時間サスペンスのような、恐怖の表情のアップがない。

「あー!」棒読みなセリフ。

ボチャン!

原作が漫画だからか、漫画みたいな、コントみたいなシーンに仕上がってました。

命狙われてるのに、そんな軽い感じでいいの?

本来ならもっと怖いシーンで、主人公が怯える展開なはず……。

しゃべり過ぎる整はウザがられ、全身ビショビショになっていても心配されない。

笑えるシーンになっていました。

ミステリーにケンカ売ってる??

 

ハッとする整の言葉

相続の件で、いとこ同士で集まって話をする場面がよくあったのですが、いとこのなかで、柴咲コウさん演じる赤峰ゆらには、小さな女の子どもがいました。

相続の件で動くのに、娘さんを連れてこなければならず。

父が代わりに娘の面倒を見ているシーンで、ゆらが父から、

「仕事をやめて楽になったんだから、旦那さんに迷惑をかけないよう、家事と育児に専念するように。」

と言われていました。

そんな父の言葉を聞いていた整が、「楽になったと思うのはなぜか?」と突っかかる。

女の人は家事と育児が得意だと思われて、楽だと思われている。

ならなぜ男の人はやりたがらない?

男の人は力が強いから、ずっと重労働をやれと言われることはないのに、どうして女の人だけが、家事と育児が得意なはずだからやれと言われるのか?

女性が聞いたら、ハッとしそうな言葉がたくさん出ていました。

 

確かに。

今まで考えたことなかったけど、家にいる方が楽。って、おじさんが言い出した言葉なのかも。

物語が展開していく途中で、こういう言葉を整がサッと出して来るから、謎解きで集中し疲れたところに違う気持ちになり、メリハリある展開。

謎解きだけじゃないのが、いい。

 

闇が深い一族

『ミステリと言う勿れ』は、思い込みとか視点を変えて解決する事件が多かったので、一族の闇といってもそんな大きな闇じゃないと思っていました。

ところがドッコイ!

さすが映画化するだけある。

なかなか深い、ゾーッとする一族の話!

 

犬神家の一族がどんな話か知らないですけど、バラバラにならずにいよう。と整が提案しているのがよかったです。

これまでのミステリの展開とは違う映画。

テンポがよくて居眠りする隙もありません。

最後まで目が離せない展開。

本来なら怖い話なはずなのに、整のおかげで、震えるだけじゃなく、泣いて怒って笑った。

ぜひ劇場でご覧ください!!

 

以上、映画『ミステリと言う勿れ』を観た感想でした。