映画『魔界転生』(1981)を観た感想 エログロさがあるも迫力ある殺陣に引き込まれた

1981年に公開された映画『魔界転生』を観ました。

魔界転生』は、2021年に亡くなった千葉真一さんと沢田研二さんのダブル主演の映画です。


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映画『魔界転生』(1981)の基本情報

原作山田風太郎『おぼろ忍法帖』<1967>→『忍法魔界転生』→魔界転生<1981年改題>

監督深作欣二

脚本野上龍雄石川孝人深作欣二

制作年:1981年

制作角川春樹事務所

配給東映

上映時間:122分

おもな出演者

柳生十兵衛光厳千葉真一

天草四郎時貞沢田研二

細川ガラシャ:佳那晃子

宮本武蔵緒形拳

宝蔵院胤舜室田日出男

伊賀の霧丸真田広之

将軍家綱:松橋登

松平伊豆守成田三樹夫

柳生左門友矩:大場順

柳生又十郎宗冬:島栄津夫

刀匠村正丹波哲郎

おつう:神崎愛

柳生但馬守宗矩若山富三郎

 

ストーリーは?

天草四郎細川ガラシャ宮本武蔵たちは、この世で果たせなかった夢を果たそうと死の淵から魔界の力を借りて蘇る。

四郎は、島原の乱を弾圧した伊豆守、徳川幕府を倒すこと。ガラシャは夫・忠興への恨みを。宝蔵院胤舜は修業の身ながら女性の体への思いが断てず。

甲賀との争いで若くして命を落とした伊賀の霧丸もまだこの世に未練が。

そして武蔵は柳生十兵衛と戦いたい。

それぞれのこの世への未練で魔術で復活した妖怪たち。

お玉として将軍家綱に近づいたガラシャは、家綱を虜にし、政が滞ってしまうことになる。

お玉を斬ろうと江戸城へ向かった十兵衛の父・宗矩。

だが、江戸城に行くと途中で四郎、武蔵ら魔界衆に囲まれ戦うことに。

刀匠・村正に作ってもらった妖刀で、宝蔵院胤舜を斬ることができたが、相打ち。

死を目の前にした宗矩は、自分の息子・十兵衛と戦ってみたかったという思いがよぎる。

四郎は「貴殿にしてもし転生のご意思あらば、我ら魔界へご案内つかまつるが。」と申し出る。

未練がないと断る宗矩だったが、十兵衛への思いで魔界転生してしまった。

妖怪となった宗矩は、息子・左門を殺し、十兵衛にも斬りかかる。

そんな父に妖気を感じた十兵衛は、江戸に戻る途中で遭遇した妖怪たちの群れと同じものを感じる。

そして、簡単には倒せないと考え、刀匠・村正に頼み、妖怪も切れる妖刀を作ってもらうよう依頼。

村正は、十兵衛の前に十兵衛の父・宗矩にも一振作っており、精魂込めて作ったため体が弱っていた。

村正の養女・おつう(武蔵のおもいびと・お通の姪)も、村正の体を気遣い反対。

村正は、十兵衛を捜してやってきた武蔵のただならぬ妖気を肌で感じ、妖刀を作ることを承諾。十兵衛も手伝い、妖刀づくりが始まった。

 

妖刀を携えた十兵衛は、魔界転生した妖怪たちを倒すことができるのかーーー?

 

というお話です。

 

エロイムエッサイム我は求め訴えたり!

魔界転生するために、天草四郎が魔法陣の中に入って、亡くなった人を復活させる儀式のシーンがあります。

その時に出てくる呪文は「エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!」という言葉。

この言葉は、水木しげるの漫画『悪魔くん』でも出てくる呪文。

悪魔を召喚する時に使う呪文です。

 

私は、この映画より先にアニメ『悪魔くん』を見ていたので、真っ先に『悪魔くん』を思い出してしまいました。

 

ガラシャを転生させたのは?

この世に未練があって魔界転生した人たち。

まず天草四郎は、島原の乱で恨みがあっても分かるし、自分を弾圧した徳川を倒そうと動き出すのは分かります。

細川ガラシャは、同じキリシタン信仰をしてて夫忠興の愛を求めて復活。

でも本人には向かわず、時の将軍・家綱に愛を求めます。

なんでかな?と思ってたら、ガラシャの本名はおたま。

5代将軍・綱吉の生母はお玉という人だったので、それにひっかけてガラシャを復活させたんだ~!とあとで納得しました。

綱吉は家光の子だから実際は家綱の子じゃないけど、家綱は養父ですもんね。

 

あと、江戸城がっ最後の戦いの場になるのですが、将軍がおたまに翻弄されることで、江戸城が炎上。明暦の大火につなげてるところもなるほどな~。と思いました。

おたまという名前に、明暦の大火。

史実と絡める話にしてるのが面白かったです。

 

やたら女性の胸を見せるシーンが多い

天草四郎役のジュリーこと沢田研二さんも妖艶ですが、ガラシャ役の佳那晃子さんも色っぽかったです。

ガラシャは、日光東照宮の巫女に扮して将軍に近づくんですが、なぜか全裸になって着替えるところを将軍に見せつける。

これいる~~?と思うシーンでしたが、将軍を一気に引き付けるには色香って考えたんでしょう。

 

将軍とのラブシーンも着物を刷っと脱がせて胸を見せる。

ガラシャに限らず、女性の肩から着物がずるっと脱げて胸が見えるというパターンが何か所が出てきました。

そういう着物の脱ぎ方が監督さんのお好み?

着物って、そう簡単にズルって脱げないと思うが…。

 

ジュリーと真田広之のキスシーン

女性の肌が見えるエロさだけでなく、四郎を演じる沢田研二さんもエロさを出してくれてましたよ!!

真田広之さん演じる霧丸が村の娘に恋をし、女性への扱いに悩んでいた時、あやしく寄り添う四郎。

乱暴してでも女性を手に入れ、そうすれば一人前の魔界衆になれるとささやき、キスをするのです。

霧丸には、転生するか?と聞いた時にも手にキスをしていて、沢田研二さんと真田広之さんのBLっぽいところを見たかったのかもしれないです。

 

随所にあやしいシーンがある『魔界転生』(1981)です。

 

殺陣もみどころ!

タイトルが『魔界転生』だし、どうしても怪しいところばかりを先に紹介してしまいました。

が、千葉真一さんが柳生十兵衛なのだから、もちろん殺陣のシーンもメインです。

海辺で武蔵VS十兵衛

緒形拳さん演じる武蔵と、海辺の決闘!

にらみ合いながら海辺を水を蹴散らしながら疾走。斬る機会をうかがう。

戦う二人を、武蔵のおもいびとだった、おつうの姪の同じ名前のおつうが笛を吹いて見守る。

前は笛の音が聞こえただけで、手が止まってしまった武蔵だったが、決闘の場面では迷いを捨て、戦いに挑んでました。

両手に武器を持って戦う武蔵。最後の倒れ方も潔く、カッコよかったです。

 

江戸城で十兵衛VS宗矩

そして、炎上する江戸城で父・宗矩と決闘するシーン。

あまりに火がすごくて、大丈夫なのかな?と心配になりました。

 

燃えさかる周囲をものともせず、真剣勝負をする父子。

魔界の手を借りてまで復活して息子に勝負を挑む宗矩の動きは、見た目の老いからは想像できないほど、素早かったです。

そんな父をしっかりと受け止め、戦う息子・十兵衛。

釘付けになりました。

 

四郎VS十兵衛

そして最後は、もっともっと火の回りがヤバくなってからのジュリー四郎が登場。

「さすがにお見事な腕前。いかがであろう。今日より私と共に魔界へ行き、その剣に永遠の命を与えるおつもりはないか?」と十兵衛を魔界に誘います。

「ない。」ときっぱり断る十兵衛。

十兵衛の四郎への怒りは頂点に達していたのです。

この炎のなかで四郎と十兵衛が対峙するシーン。

もう後ろで柱が何本も倒れてるし、火は強くて大きな音立ててるし。

観てて気が気じゃなかったです。

 

そして、よく『魔界転生』の予告で流されるあのシーンとなります。

 

妖刀で四郎の首を斬った十兵衛だったが、四郎は斬られた首を持ち、笑って「必ず戻って来る。」と宣言。

去っていくーーー。

 

なんと中途半端な終わり方!!

でもま、映画って撮りたい見せたい映像を作るものでしょうから、炎上する江戸城で十兵衛が戦う姿を見せたかったんでしょう。

 

『夢二』と比較

私は画家の竹久夢二が好きで、『魔界転生』と同じ沢田研二さん出演の映画で『夢二』という映画を観たことがあります。(1991年制作)

『夢二』は、映像はキレイでしたが、ストーリーが全然分からなかった。

沢田研二広田玲央名宮崎ますみとキレイな人が出てきて、映像は本当にキレイだったんですが、ストーリーがよく分からなかった。

 

でも『魔界転生』は、その『夢二』みたいに映像もキレイで、ストーリーもちゃんと分かる映画でした。

 

以上、『魔界転生』(1981)を観た感想でした。

 

沢田研二さん主演映画『土を喰らう十二ヵ月』の感想はこちら。↓↓↓

 

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