映画『土を喰らう十二ヵ月』のネタバレ感想 長野の山奥で精進料理を作って暮らす男の十二ヵ月

2022年11月11日に公開された映画『土を喰らう十二ヵ月』を観ました。

『土を喰らう十二ヵ月』は、沢田研二さん単独主演の映画です。

tsuchiwokurau12.jp

ずっと見に行こうと思っていたのですが、人が少なくなってからでいいと思っていたら12/29で終了と知り、慌てて観に行きました。

映画館の前に貼ってあったポスター


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映画『土を喰らう十二ヵ月』の基本情報

監督・脚本中江裕司

原案水上勉土を喰う日々ーわが精進十二ヵ月』(新潮文庫刊)

      『土を喰ふ日々 わが精進十二ヶ月』(文化出版局)

料理土井善晴

音楽大友良英

主題歌沢田研二『いつか君は』

製作:『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会

配給:日活

制作:オフィス・シロウズ

上映時間:111分

おもな出演者

ツトム沢田研二

真知子松たか子

美香西田尚美

尾美としのり

写真屋瀧川鯉八

大工火野正平

文子檀ふみ

チエ奈良岡朋子

 

ストーリーは?

長野の山奥に暮らす作家のツトム(沢田研二)は、幼少期に口減らしのため京都の禅寺に出された過去がある。

その時に得た精進料理の知識を活かし、畑で育てた野菜や山で採れた山菜を使って料理を作って楽しんでいる。

家族は、犬のさんしょと13年前に亡くなった妻・八重子の遺骨。

そんな暮らしに目をつけた女性編集者で恋人の真知子(松たか子)から依頼され、山の暮らしと精進料理をつづった話を書いて暮らす。

冬。時々訪ねてくる真知子に、畑で収穫した子芋を焼いたものや漬物などの料理やお菓子を振る舞うのを楽しみにしている。

春。真知子だけじゃなく、山歩きで山菜取りを教えてくれた大工(火野正平)にも料理を振る舞う。

父から習ったやり方でふきのとうを焼き、味噌をつけて食べるというシンプルな料理を出して喜ばれた。

亡くなった妻の母・チエ(奈良岡朋子)が息子夫婦と折り合いが悪く、一人暮らしする家を訪問することも欠かさない。

チエは、自分は山椒でご飯を食べ、ツトムには漬物をおかずに振る舞う。

チエが作る味噌を分けてもらい、妻・八重子の月命日にそなえてほしいとぼた餅をもらった。

チエは、いつまでもお墓を建てずに遺骨を持ち続けるツトムに、早くお墓を建てるようにと急かす。

そんな義母・チエが亡くなった。

元々折り合いが悪かった義弟・隆、美香夫婦は自分たちで葬式は出さず、ツトムの家で出して欲しいと頼まれる。

筋合いがないと思いつつも、ツトムは、真知子にも手伝ってもらいながら葬式の振る舞い料理を準備。

写真屋に遺影を頼み、大工には棺桶づくりを任せた。

義母の葬式後、真知子に一緒にここで暮らさないか?と誘うツトム。真知子は仕事もあるし、と返事を先延ばしにする。

そんな時、ツトムが自宅で倒れているのを真知子が発見---。

ツトムが、ずっと納骨してこなかった妻の遺骨は?

山奥の生活は?

ツトムと若い恋人、真知子との関係はーー??

 

前半はおだやか

タイトルに"十二か月"と入っていますが、山奥で一人で積もる雪を踏みしめ畑から野菜を収穫して、山から引いた水で土を落とす。

土が落ちたら次は皮むき。

全部はむかず少し残ってるぐらいがいい。

禅寺で習った野菜の扱い方を思い出しながら、ゆっくりと料理を作っていくシーン。

前半のシーンは水が流れる音、米を研ぐ音、ご飯が炊ける音。

ツトムが説明をする声。

このまま音声を流し続けてもらったら、睡眠導入音楽になるんじゃないか?と思うほど穏やかでした。

飼ってるワンちゃんもかわいかった。

あまりに穏やかで、寝てしまったところもありました。

 

火野正平も出演!

あと、私が好きな火野正平さんも出演していました。

一緒にふきのとう食べるシーンと、お葬式で棺桶を作るシーン。

短い出演でしたけど、正平さんが俳優やっているのが見れて嬉しかったです。

 

松たか子演じる若い恋人が気になった

松たか子さん演じる若い恋人・真知子が、沢田さん演じるツトムに、料理を出してもらったり、お酒を注いでもらったり。

松さんとは同年代なので、もうちょっと自分でもやろうよ!と、ツッコみたくなりました。

でもま、ツトムにとっては若いかわいい恋人。

甘えられて嬉しいといったところでしょうか?

 

そんな真知子。

ツトムの義母の葬式の時は、ちゃんとしっかり野菜の収穫から料理から、ツトムの指示されたことを「どうするの?」と困りながらも、ちゃんとてきぱきと動いていました。

時間が迫ってるので、やらなきゃ仕方がない状況ではあったんですが。

頑張ってるところがよかったです。

 

死にたくない気持ち

私がこの映画で一番身近に感じたのが、ツトムが急病で倒れて復活してきた時の会話でした。

真知子がいち早く見つけてくれたおかげで、何万分の一の、奇跡の生還を果たしたツトム。

怖かった。死にたくなかった。と救急車で運ばれていた時の本音を真知子に話していました。

 

私も救急車で運ばれて、病院でもしかしたら死ぬかもしれないと思ったことがあります。

『逃げ恥』の最終回の日で、普通にドラマ見るつもりだったのにな。もしかしたら家に帰れないかもしれない。

救急車で運ばれてそのまま死んだ人って、次の日も生きるつもりでいたんだな。

死ぬ時ってこんなもんか。

と、ふと思ったんです。

 

『土を喰らう十二ヵ月』でツトムが言っていたこと。

私も同じこと思ったなぁ。と思い出しました。

 

最後はジュリーの歌

劇中で、『いろは歌』や『般若心経』を歌うというか、唱えていた沢田研二さん。

エンドロールで、主題歌の『いつか君は』が流れていました。

劇中の『いろは歌』の歌は、あれ?そんな上手くない。と思いましたが、『いつか君は』はカッコよかったです。

まあ『いろは歌』は、歌は歌でも文字を覚えるために歌ですから、歌いあげるって感じじゃないですよね…。すみません。

ほかのお客さんも、歌が終わるまで誰も帰ってませんでした。

全部聞いてから帰りたい。

主題歌は、途中では一切流れず。エンドロールのみだったのでなおさらかも。

歌手・沢田研二の歌でした。

 

しおりをもらった

あと、鑑賞前に映画館でオリジナルしおりをもらいました。

沢田さんが山道を歩く姿と、タイトル。裏表のものです。

記念品をもらえるなんて嬉しい!!!

 

長野の自然を堪能できる美しい映像だったし、ストーリーも感じるものがあったし、いい映画でした。

 

もっと早く観に行けばよかったです。

 

以上、『土を喰らう十二ヵ月』を観た感想でした。